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APS-1グランドマスターMk.3 レビュー(23.12.30更新)


ご好評頂いているAPS-1グランドマスターMk.3について、簡単なレビューをお届けします。

マルゼンさんからアナウンスされている、従来型からの変更点は下記の通りです。

1.16連マウントベースマガジン
2.アルミ削り出しバレルブリッジ
3.イージーメンテナンス機能
4.トリガー前後位置 調整範囲拡大 トリガーユニット
5.グリップセフティ機能オミット
6.内径6.12mm 無電解ニッケルクロムメッキ・インナーバレル
7.マーク3 専用カスタムカラー



1.新型16連マガジン
従来の3本のネジを使ってマガジンを固定する方式を改め、後ろ側の固定ネジを1本に減らしてスペースを確保し16発装填可能になりました。
この為、マガジン前側に新たに1本固定ネジが追加されています。

これに伴い、前側の固定ネジ用にアウターバレルに穴が追加され、チャンバー側にもネジを受けるナットが入る仕様に変更されています。


従来型APS-1に新型マガジンを取り付けるためには、アウターバレルの穴開けと新型チャンバーが必要です。

APS-1Mk.3APS-1Mk.3
従来型                      Mk.3

また後ろ側の固定ネジが1本に減った為、蔵前工房舎製APS-1用マウントレールMk.3には取り付け不可となっております。
なおマウントレールを使用しなくてもマガジン部分に直接光学機器を搭載することは可能です。
ただし、しっかりとしたピカティニー形状ではないのでマウントリングの種類によっては正しく装着できない可能性があります。

実際にプレート競技を撃ってみると、途中で給弾せずに最後まで撃ちきれます。
競技途中に余計な動作を挟まずに済むのでとても大きなメリットだと感じました。


2.アルミ削り出しバレルブリッジ
APS-1Mk.3

これはMk.2から踏襲されたもので、アルミ削り出しでMk.3ではブラックアルマイトに変更されています。
このパーツにより、アウターバレル基部の剛性を上げてアウターバレルの振動を抑えます。
ここにシリアルナンバーが入っています。



3.イージーメンテナンス機能
こちらもMk.2から踏襲された機能で、取説にはフォアエンドピンを抜くだけでバレルアッセンブリーとグリップ部分が真っ二つになっている写真が掲載されています。

確かに便利な機能ですが、弊社としてはあまりお勧めできません。
アウターバレルをフレームから抜き差しすると、結合部が次第に緩くなりガタが出て来ます。
こうなっては前述のバレルブリッジも意味をなさず、どんなに良い居銃、良いトリガープルを行っても撃発時のショックでアウターバレルが暴れてしまい自覚症状のない着弾の乱れが発生します。

弊社ではオーバーホールやカスタム時にガタが出ていない個体ではアウターをフレームから抜く事はありませんのでご安心ください。


4.トリガー前後位置 調整範囲拡大 トリガーユニット
16連マガジンに次ぐMk.3の大きな変更点です。
従来型に比べ、トリガー位置が2.7mm後方にセットできるようになりました。


上の写真は各トリガーを比較したものです。
Mk.3蔵前工房舎製のチカイトリガーを装着すると、超チカイトリガーになります。


これに伴い、トリガーベースだけでなくトリガー上面も形状が変更されています。



この様に新型トリガーベースに従来トリガーの組み合わせだと、最後方にトリガーをセットするとフレームに干渉してしまいトリガーが引けません。


蔵前工房舎製のチカイトリガーは元々Mk.3で変更された高さの為、問題無く使用可能です。
という事で、現在品切れ中ですが再生産を決定しました!
1月下旬から2月上旬に入荷予定です、APS-3用NEWチカイトリガーと同様に
シルバー・レッド・ブルーのカラーバリエーションでセレーション入りとなります。






5.グリップセフティ機能オミット

ご覧の通り、キレイさっぱりグリップセフティがなくなりました!

6.内径6.12mm 無電解ニッケルクロムメッキ・インナーバレル
APS-1Mk.3
APS-3のリミテッドモデルに採用されるインナーバレルはテフロンコート系の表面処理でしたが、今回は無電解ニッケルクロムメッキが採用されました。

真鍮にニッケルクロムメッキという事でアフターパーツメーカー製インナーバレルでは一般的なチョイスですね。
内径は従来のテフロン系処理と同じく6.12mmです。

チャンバーパッキンやカラーの構造も従来通りです。


7.マーク3 専用カスタムカラー

個人的には結構好みです。
青いトリガーも赤いトリガーもシルバーのトリガーもどれも良く似合います。

8.分解可能シリンダー
APS-1Mk.3

マルゼンさんからは公表されていませんが、Mk.3最大の進化はコレです!
APS-1しかなかった時代は弊社製を含め分解可能な社外のシリンダーが存在しましたが、ついに純正でも分解可能になりました。

これによりシリンダー周りのメンテナンスが可能になり、より良好なコンディションを保つ事が可能になりました!

欲を言うと、多少高くなってもシリンダーにメッキを掛けてくれれば完璧なのですが…

以上、APS-1グランドマスターMk.3進化点まとめでした。




続いて、実射編です。

先ずは銃口初速の測定結果は下記の通りでした。
※下記の初速データは2023年12月に発売されたファーストロットのデータです。
※最新のセカンドロットのデータはこちらをご確認下さい。

※下記の初速低下問題は、
2023年12月に発売されたAPS-1Mk.3(ファーストロット)にのみ該当します。
2024年9/6日発売のセカンドロットでは不具合は解消されています。
セカンドロット実射レビューはこちらをご覧下さい。

新品箱出し状態から10発程度までは88m/s近く出ていましたが、徐々に落ちてきて84m/s程度で落ち着くようです。(残念ながら撃てば撃つほど弾速は下がります)対策用カスタムシリンダーを製作しました。
その後、ゼロイン~置き撃ち~10m試射後、APS競技1週回って100発程度射撃後に再測定した物が100発後のデータです。

概ね新品から50~100発ほど撃つと初速は安定してくるでしょう。(残念ながら撃てば撃つほど弾速は下がります)→対策用カスタムシリンダーを製作しました。
平均で84.1m/sという事で、APS-1にしては出ている方かなと言う印象です。

0.3gBB弾を使用した際の弾速の落ち込みはAPS-3より大きく、比較として同じ環境で新品のAPS-3ブルーエディションの初速を測定してみたところ

マルゼン0.2gBB弾 85~86m/s
G&G 0.3gBB弾 71~73m/s

程度でした。





置き撃ち、立射共に右に一発外しているのは私のミスです。
集弾性能に問題は無く、APS競技1周回った結果は
ブルズアイ98-6x プレート60 シルエット18 合計176-6xでした。

もう少し撃ち込んでシルエットのデータをしっかり取れば180~190は撃てそうな感じです。

このあと10mの無限シルエットを、10発連続で撃った結果、9発当たったのでしっかり狙点データを出せば問題ないでしょう。

実際に撃ってみて気になった事が2点あり
一つ目はやはり「トリガー遠いです…」
二つ目は「グリップが難しい」

トリガーについては2.7mm近くなったとは言え、純正形状のトリガーだと私にはやはり遠いです。
この辺は個人差も大きいので店頭で実際に手に取ってみて確認してみて下さい。

グリップについては私がAPS-1に不慣れな事もあり、なかなか掴みどころのない印象でどう握るのが正解なのか解りませんでした。

弊社ではAPS-1用ステイヤータイプアドバンスドグリップもラインナップしています。
左利きの方にはもちろん、APS-3と同じ握りで撃てるのでAPS-1APS-3の両方運用する方にもおすすめです。

以上、APS-1グランドマスターMk.3レビューでした。



最後に蔵前工房舎製パーツとMk.3の組み合わせ一覧です。







数年ぶりに再生産されたAPS-1ですが、登場から30年近くが経ち今回この様に大きく進化しました。
弊社では、今後もAPS-1向けパーツの開発、チューニングを続けて行きますので是非よろしくお願い致します。



APS-1グランドマスターMk.3の商品ページはこちらです。






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